医療保険の保険料支払いは終身と定期どちらがおすすめ?業界歴22年の現役FPがお答えします

医療保険の支払い方法 生命保険の選び方

医療保険の加入や見直しの検討をするとき、保険料の支払いを「終身払い」にするか「定期払い」にするか決めることは大切なことです。

しかし、どのように決めたらいいのかわからないという人をよく見かけます。

そこで、医療保険の保険料支払は終身と定期でどちらがおすすめなのかを、業界歴22年の現役FPである私が解説します。

医療保険の保険料支払いは終身と定期どちらがお得?

ここでは、保険会社「A」の医療保険を例に、保険料の支払い方法の違いでお得なのはどちらかを見てみましょう。

保険商品:終身医療保険A
入院日額:10,000円、手術(入院中20万、外来5万)
特約:先進医療特約
性別・年齢:男性・30歳

毎月の保険料がお得なのは終身タイプ

終身払い:3,052円
60歳払い:4,416円

このように、医療保険Aの保険料の支払い方法を終身払いか60歳払いかどちらを選ぶかで、毎月の保険料に1,400円もの差が出てきます。

1年で16,800円、10年で168,000円の差になります。

総保険料なら定期タイプ

生命保険協会のデータから、30歳男性の平均余命は51.73であることから、平均でこの男性は81歳まで生きることとします。

そう考えた場合、

終身払い:3,052円×12ヶ月×51年=1,867,824円
60歳払い:4,416円×12ヶ月×30年=1,589,760円

終身払いより60歳払いのほうが、総保険料で約30万円ほどお得になることがわかります。

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終身か定期か保険料支払いの選び方の基準

医療進歩に保険がついていけるか

毎月の保険料や総保険料を考えた場合、「どちらがお得か」で選ぶことができます。

しかし、忘れてはいけないことがあります。

その医療保険は本当に使えるか

あなたが大きな病気をしたとき、そこで行った治療が保障の対象外だったとしたらどうしますか?

国際的に権威のある専門誌Lancet(ランセット)による、世界の医療技術の高さをランキングした論文によると、世界195カ国の中で日本は11位と高い位置にいることがわかりました。

新しく開発された医療技術は健康保険がきかないものも多く、民間の医療保険で対応ができるかどうかで、あなたの生死が変わることもあります。

若いときに加入した古い医療保険の危険性

保険は加入する年齢が若いほど、保険料が安くなります。

しかし、いくら保険料が安いときに加入したからといって、保障内容が時代に合っていなければ、万が一のときに保障を受けられない可能性も出てきます。

保険料の安さだけにとらわれてしまうと、医療保険の根本的な目的を見失うことにもつながりますので注意が必要です。

FPとして選ぶなら「終身払い」で随時見直し

FPとして、終身払いと定期払いのどちらを選ぶかというと、迷うことなく終身払いを選びます。

その理由は、

・医療保険は数年ごとに保障内容を見直し、バージョンアップを図りたいから
・見直し(解約、新しい保険に切り替え)をする前提なので、保険料は安い終身払い
・ケガや病気で見直しができなくなったとしても、終身払い(終身医療保険)であれば、保障は一生涯続く

からです。

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必要なら早期の見直しを

現在加入している医療保険に不安を感じたら、見直しや現状の確認をすることも必要です。

結婚や出産を機に見直しをする

保険の見直しをするタイミングで一番多いのが、結婚や出産のタイミングです。

家族が増えたり、生活環境が変わるとき、必要なものや大切なものも増えます。

独身時代に必要なかった医療保険が、結婚や出産を機に必要になったり、逆に保障内容を見直すことが必要になることもあります。

ライフステージが変われば必要な保障も変わりますので、不必要な保険があれば解約するなどの手続きも取ることが必要です。

保険相談で保障内容を確認することも

自分で保障内容の見直しをするのは大変です。

どの部分が必要で不必要かはFP(ファイナンシャルプランナー)などの専門家に任せれば、時間をかけずに確認することができます。

保険相談を利用すれば、無料で保障内容の確認ができて、必要であれば見直しも可能ですから、積極的に利用するとよいでしょう。

FPにも様々なタイプの人間がいますので、あなたが信用できるFPに相談してください。

まとめ

医療保険の支払い方法をどうするかで、総保険料の額が変わります。

終身払いを選ぶか、60歳払いなどの定期払いを選ぶかは、あなたの年齢によって変わります。

また、どちらを選ぶにしても、その保障内容が時代に合っているかどうかを定期的に見直す必要はあります。

目先のお得さも大切ですが、必要なときにしっかりと保障を受けられるように、定期的なメンテナンス(見直し)はしておきましょう。