あなたは、「リレーアタック」という犯罪を知っていますか?
まずはこちらの動画をご覧ください。
これは、最近増加している「リレーアタック」と呼ばれる車の盗難が行われる一部始終を記録したニュース映像です。
この映像に映っている窃盗団は、わずか10秒で車の窓や鍵を壊すことなく、簡単にロックを解除して、そのまま車を発進させて盗んでしまいます。
ここ数年販売数が増えてきた、鍵穴にキーを差し込まなくてもドアの施錠・開錠ができたり、車の発進ができるスマートキー機能がついている車が対象の犯罪で、誰でもこの犯罪の被害者になりかねない恐ろしい犯罪です。
わずか10秒で犯罪が行われるので、夜寝ているときならまず犯行が行われていることに気がつきません。
車の中に積んである貴重品だけでなく、愛着のある車自体が盗まれてしまわないために、私たちが取れる対策と実際に盗難に遭ってしまったときの保険の請求の仕方について解説したいと思います。
誰でも車盗難の可能性があるリレーアタックとは?
リレーアタックとは、鍵穴にキーを差し込まなくてもドアの施錠・開錠ができるタイプの車を狙った車両窃盗の犯罪で、特殊な電波傍受のための機械を使って、わずか10秒で車両を開錠し、車両を持ち去ってしまうというものです。
リレーアタックはスマートキー機能を搭載した車が標的の犯罪
リレーアタックは、スマートキー機能を搭載した車が標的の犯罪です。
報道の中では、高級車ばかりが狙われているという印象を持つかもしれませんが、今販売されている比較的新しい車であれば、ほとんどがスマートキー機能を搭載していますので、車を持っている人なら誰でも被害に遭う可能性がある犯罪です。
リレーアタックが行われる場所は自宅だけではない
リレーアタックは、スマートキーが発信している微弱な電波を特殊な機械を使って傍受し、その電波を増幅させて車に送信し、ドアの開錠・施錠、車の発進を行うというものです。
深夜に自宅駐車場に保管してある車が狙われることが多いのですが、レストランやお店などに駐車した車を狙って犯罪を行う場合もあり、運転手が食事や買い物を楽しんでいる間に車を盗み出しますので、駐車場に戻ってきたら車がなかったと気がつくことになります。
この場合、車から降りた運転手に後ろからこっそり近づき、ポケットやバッグの中のスマートキーの電波を傍受して、車の近くにいる共犯者に送信して車を盗み出しますので、なかなか気がつくことは簡単ではありません。
また、車を盗み出さなくても、ドアを開錠することで車上荒らしだけを行う犯行もあります。
この場合、車にキズなどがつかないため、物がなくなったことに気付くのが遅れ、犯人を捕まえることが難しくなります。
リレーアタックは世界的犯罪で日本は最新技術で犯罪が行われている
スマートキーは、1993年登場のシボレーコルベット、それに続き1998年登場のメルセデス・ベンツSクラスの4代目モデルに搭載されたのがはじまりで、日本では2000年搭乗の3代目セルシオではじめてスマートキーが搭載されました。
このように、日本よりも世界のほうが早くスマートキーが搭載された車の販売がはじまったことから、リレーアタックも世界的犯罪として広がって日本に上陸したといわれています。
しかも、日本で行われているリレーアタックは、世界中で行われているものと比べても最新の技術が使われていて、とても厄介だともいわれています。
リレーアタック対策と防犯対策グッズ
では、リレーアタックから大切な愛車を守るためにできることはあるのでしょうか。
その防犯対策とおすすめの防犯グッズを紹介したいと思います。
一般的なリレーアタック対策はキーを玄関から遠ざけるだけでOK
一般的はリレーアタックの防犯対策として、玄関近くにスマートキーを保管しないということがあります。
スマートキーが自然に発信している電波は微弱で、50cmから1mしかその電波が届かないため、玄関の外から特殊な機械を使ってその微弱な電波を傍受しようとしても、例えば2階の奥の部屋(玄関から10m以上離れている部屋)にスマートキーを保管していれば安全だからです。
しかし最近では、これでも安心ではないということがわかってきています。
最新技術では玄関から離れた2階部屋でも被害に遭うことも
日本で拡がりつつあるリレーアタックに使用されている特殊な機械が最新技術を持っているものになっていることがあり、その場合、玄関から離れた部屋にスマート
キーを保管していても、微弱な電波を傍受されてしまうことがわかってきました。
実際に被害に遭った男性の話では、被害当時、車のスマートキーは2階の奥の部屋に保管していたところ、それでもいとも簡単に車が盗まれてしまったというのです。
リレーアタック対策とおすすめの防犯対策グッズ
最新技術を持った犯罪組織にあなたの愛車が狙われないために、どうすれば良いのでしょうか。
おすすめの3つのリレーアタック対策を紹介します。
スマートキーの電源をオフにする
まずは、スマートキーに電源の「オン・オフ」ボタンがついている場合、車から降りるときに電源をオフにすることで微弱な電波が発信されることを防ぎます。
毎回オフにすることが面倒だと感じるかもしれませんが、慣れてしまえば問題ありませんので防犯対策として徹底するようにしましょう。
スマートキーを金属の缶などに入れてフタをする
もしスマートキーに電源ボタンがない場合、金属の缶などに入れておくと電波の発信・受信を防ぐことができます。
金属の缶は、ジュースの缶、海苔が入っているか缶などいろいろありますが、大切なのはフタをしっかりとして密封することです。
アルミ箔に包むだけでも効果はありますが、毎回包む作業をしなければいけないこと、すき間が空いてしまうことなどの注意が必要です。
リレーアタック対策専用ポーチに入れる
金属の缶は自宅での保管であれば問題ありませんが、外出先などに持ち歩くものとしては少々難があります。
そこでおすすめなのは、リレーアタック対策の専用ポーチです。
このポーチの内側は特殊な金属製のカバーで覆われていて、スマートキーを中に入れてフタをすれば電波を完全に遮断することができます。
エンジンを止めたらすぐにスマートキーをこのポーチの中に入れてフタをすれば、自宅での保管はもちろんのこと、レストランでの食事や買い物の最中でも安心して車を駐車することができます。
価格も1,000円しないものが多く、売り切れる前に早めに購入しておくことをおすすめします。
盗難されてしまったときの自動車保険の請求方法
もし、リレーアタックの被害に実際に遭ってしまったら、すぐに自動車保険の請求を行いましょう。
自動車盗難の際の自動車保険の請求方法
リレーアタックによって愛車が盗まれてしまったら、自動車保険(車両保険)の請求ができます。
自動車が盗まれた場合の補償は、車両保険に加入していることが条件ですが、もし加入していれば「全損」として契約時に設定した保険金額を全額受け取ることができます。
また、全損時臨時費用保険金も受け取れますが、もし保険金受取後に車が見つかって、そのまま引き続きその車に乗る場合には、受け取った保険金の返還が必要になりますので注意が必要です。
車両保険から保険金を受け取ると、翌年度の等級が1等級下がり、事故あり係数適用期間が1年加算されます(上限は6年)。
警察には必ず届け出をすること
車の盗難で自動車保険(車両保険)を請求する場合、必ず警察への届け出が必要になりますので、盗難がわかったらすぐに警察え連絡を入れて盗難届を出しましょう。
そのとき、必ず盗難届の受理番号を控えておきましょう。
警察と保険会社へ連絡を入れたら、それから盗難された状況の確認などを行い、それから不明車両の捜査がはじまります。
捜査の結果、車が見つからなかった場合、保険金の支払い手続きが進み、契約者は保険金を受け取ることができます。
まとめ
一昔前まで、車両盗難は窓ガラスを割ったり、鍵穴をこじ開けたりするケースが主流でしたが、今は車にキズをつけず、音もたてずにあっという間に車を奪い去ってしまいます。
スマートキーが普及して便利になった反面、このように車自体の盗難や簡単に車上荒らしができるようになってしまいました。
高級車じゃなくても犯罪のターゲットになる可能性は大いにありますので、必ずスマートキー機能を搭載している車に乗っている方は、防犯対策を徹底するようにしましょう。
防犯対策は自宅だけじゃなく、外出先でも必要になりますので専用のポーチにスマートキーを入れて保管するなどしておきましょう。