賃貸マンション入居者のエアコン故障は火災保険の対象?電気的機械的事故特約と保険料目安について解説します

エアコン故障 損害保険の請求の仕方

賃貸マンションを経営していると、年間数件から数十件のエアコン故障の連絡が管理会社から来ます。

エアコンを直す費用は、入居者の過失が原因でなければ大家(オーナー)による負担が一般的です。

この修理費用は火災保険の補償対象なのでしょうか?

基本的にはエアコンの故障は補償対象外

なぜエアコンの故障が火災保険の補償対象外なのか?

火災保険の補償内容は以下の通りです。

・火災
・風災、ひょう災、雪災
・水災
・盗難、水濡れ
・破損、汚損

これらが、「偶然かつ突発的」に起こる事故が補償の対象となります。

それに対して、エアコンの故障はこの「偶然かつ突発的」な事故には当てはまりません。

なぜなら、エアコンの故障の主な原因は、経年劣化(老朽化)や原因不明のものがほとんどだからです(電気系統のショートも含む)。

実際の事故報告例

実際にあった例を紹介します。

事故内容
マンション入居者のエアコンが故障したと管理会社に連絡あり
事故原因
事故原因は不明だが、恐らく配線がショートしたとのこと
保険会社の回答
事故原因が不明なこと、「故障」は事故ではないので保険金支払いの対象外であるとのこと

私は18年の保険業界歴の中で、何件もの同じような相談を受けましたが、どれもこのように保険金の支払い対象外でした。

ちなみに、これは保険会社問わず同じような結果となりました。

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電気的機械的事故特約があれば補償の対象

電気的機械的事故特約の補償内容

エアコンの故障は通常の火災保険の補償内容の対象外ですが、電気的機械的事故特約をつけていれば補償の対象となります。

この特約を設定している東京海上日動火災のホームページを見ると、補償についてこう説明しています。

建物の機械設備に電気的または機械的事故が生じ、故障した場合の修復費用を補償します。免責金額(自己負担額)は、破損等リスクの免責金額と同額となります。

引用:東京海上日動火災保険「特約」より

このように、電気的機械的事故特約は、「偶然かつ突発的」な事故ではなく、「故障」について補償しています。

ただし、メーカーの保証の対象期間である場合には、電気的機械的事故特約の対象外ですので注意が必要です。

エアコン以外の補償対象となる事例

電気的機械的事故特約の補償対象となるものは以下の通りです。

空調設備 温風暖房機、冷凍機、冷却塔、パッケージ型エアコンディショナー、ユニットクーラー、空気調和器、エアーカーテン装置、送風機、付属ポンプ類 等
電気設備 変圧器、受配電盤、制御・監視盤、継電器盤、継電器、計器用変成器、開閉器、コンデンサー、リアクトル、充電設備、 無停電装置、バッテリー、碍(がい)子・碍(がい)管、保護装置、開閉器用空気圧縮機、支持フレーム、母線、配線、通信配線、 照明器具、発電設備、送受信設備装置、電気時計装置、電話交換装置、アンテナ設備、表示装置、避雷針、支持棒、 接地電極、導体、盗難防止装置、防災センター設備、火災報知設備、警報装置、太陽光発電設備 等
給排水・衛生・消火設備 給水設備、給湯設備、ソーラーシステム、衛生設備、飲料用冷水設備、排水設備、汚水処理設備、散水設備、井戸、各種消火設備 等
昇降設備 エレベーター、エスカレーター、ダムウェーター 等
窓ふき用ゴンドラ設備 ゴンドラ吊(つり)上げ機、ゴンドラ、レール 等
回転展望台設備 回転台フレーム、回転用駆動装置、レール 等
エア・シュータ設備 送風機、気送子、インターホン 等
ネオンサイン設備 ネオンサイン本体、点滅装置、ネオントランス 等
駐車場機械設備 駐車場機械本体、駐輪場機械設備、巻上機、搬器、ガードレール、扉、ターンテーブル、消火装置、制御装置、駐車券発行機・精算機 等
その他の設備 自動ドア設備、シャッター設備、宅配ボックス、建物免震・制震機械装置、ごみ処理・塵芥(じんかい)焼却設備、ベルトコンベア、放送設備、ボイラー 等
上記各設備に付属する配線・配管・ダクト設備

エアコン以外にも、エレベーターなど対象となるものもありますので、マンション経営をされている人は参考にしてみてください。

実際の事故報告例

事故内容
マンション入居者のエアコンが故障したと管理会社に連絡あり
事故原因
事故原因は不明だが、恐らく配線がショートしたとのこと
保険会社の回答
電気的機械的事故特約をつけていることで、結果的には保険金を受け取ることになった

保険会社との交渉の中で、エアコンの直接的な故障原因はわかりませんでした。

しかし、一般的にエアコンの故障について原因を突き詰めることは難しく、保険会社も執拗に問い詰めることはしません。

最終的に、故障原因は「配線のショートによるもの」という答えに落ち着き、保険金の支払いとなりました。

電気的機械的事故特約の保険料の目安

電気的機械的事故特約の保険料の目安は以下の通りです。

・年間保険料の10%ほど
・建物の構造の違いで保険料に差は出ない

マンション一棟に長期契約で火災保険を掛けている場合には、保険料も高額になりますが、エアコンの寿命は5~10年ですので、入居者の数と買い替え代金などを考えれば、保険料負担分は取り戻せるというのが経験上いえることです。

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まとめ

賃貸マンションの入居者のエアコン故障は、一般的な火災保険の補償の対象外です。

しかし、電気的機械的事故特約をつければ、その修復費用は補償の対象となります。

マンション経営を長く営んでいる人なら経験が多いかもしれませんが、エアコン故障は頻繁に起こりますので、この特約を検討することは必要なこととして頭に入れておきましょう。

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