がんで働けなくなったときの収入減に備える所得補償保険について現役FPがわかりやすく解説します

所得補償保険 生命保険の選び方

がんに対する保障の代表といえばがん保険ですが、がんなどの病気やケガによって働けなくなってしまった場合に備えて所得補償保険を検討するという方が増えてきています。

そこで、このページでは所得補償保険のおもな特徴について、現役FPの私がわかりやすく解説したいと思います。

所得補償保険とは

がんで働けなくなって収入が減少してしまっても、生活費や教育費、住宅ローン、各種税金や保険料といった毎月の支出は続きます。

そのうえで、がん治療の医療費が新たな支出として上乗せされると、家計は悪化の一途をたどって行ってしまいます。

このような、がんに罹患したときの収入減のリスクに備える保険として所得補償保険があります。

所得補償保険のおもな特徴

所得補償保険というと、収入保障保険と混同して覚えている方もいるかもしれませんがまったく別物です。

収入保障保険は、基本的に死亡保険の一種で、被保険者が死亡したときに保険金の受取人に毎月決まった金額を年金のように支払うものです。

所得補償保険は、被保険者が病気やケガで働けなくなったときに保険金が支払われるものです。

所得補償保険は自宅療養でも補償される

所得補償保険は入院以外でも、医師の治療を受けていることにより就業できない状態であれば自宅療養でも補償されるなど、「入院+α」の範囲で補償が受けられる仕組みの保険です。

一般的な所得補償保険は保険期間が1~2年程度ですが、5年または65歳までといった中長期で保険金が受け取れる長期所得補償保険も登場しています。

免責期間は60日、180日など商品によって異なりますが、一般的に免責期間が長いほど保険料は安くなります。

また、保険金額の設定次第では、がん保険などよりも保険料負担を軽くすることも可能です。

所得補償保険は会社員よりも自営業に必要性が高い

会社員の場合、所得補償の公的制度として傷病手当金や社内制度の恩恵を受けることができますので、所得補償保険を検討する必要性は低いかもしれません。

しかし公的制度が手薄になりがちな自営業や自由業の方にとっては、所得補償保険は必要性が高い保険といえます。

収入保障タイプのがん保険もおすすめ

所得補償保険は、対象者が安定した勤労所得のある方のみが加入できる保険で、主婦やフリーター、アルバイトや年金生活者は加入することができません。

そのような方は、収入保障タイプや年金受取タイプのがん保険に加入することをおすすめします。

一般的な収入保障保険は、死亡または高度障害状態になったときに遺族の生活を保障しますが、収入保障タイプのがん保険は、初めて所定のがんと診断された場合、生存されている限り年金支払期間中にがん収入保障年金が受け取れます。

もしも年金が支払われずに死亡した場合、死亡給付金もしくは遺族収入保障年金を受け取ることができますので、これはいわば「がん限定の収入保障保険」といえます。

がんと診断確定されれば、どんな治療を受けていようがいまいが保障されますし、一定の年齢要件を満たせば就労形態等の条件もありませんので、検討する価値は大いにあります。

まとめ

がんで働けなくなったとき、収入減から生活が苦しくなることに加えて医療費がかさんで生活費は大変なことになります。

そんなときに検討したいのが所得補償保険です。

所得補償保険は、医師の治療を受けていることにより就業できない状態であれば自宅療養でも補償されるなど、「入院+α」の範囲で補償が受けられる仕組みの保険です。

特に自営業や自由業の方は、保険加入や見直しの際には所得補償保険も必ず選択肢に入れて検討するようにしましょう。