医療保険には掛け捨て型と貯蓄型の2つがあります。
消費者が医療保険を選ぶとしたら、どちらを選べばよいのでしょうか。
その選ぶ基準として、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
掛け捨て型のメリット・デメリット
掛け捨て型の3つのメリット
- 毎月の保険料が安くなる
掛け捨て型の医療保険は、貯蓄型の医療保険と比べて保険料が50%ほど安くなることがあります。
貯蓄型の医療保険は、満期金や途中解約時の解約返戻金の積み立てのために保険料に上乗せしているため保険料が高くなっています。
掛け捨て型は、この積立部分がないため、保険料を安く抑えることができます。 - 保険の見直しがしやすい
掛け捨て型の医療保険は、解約返戻金がないため、「〇歳まで続けないと損をする」など考える必要がありません。
ですから、医療保険の見直しをすることにあまり抵抗を覚える必要がないので、保障内容や保険料に優れているものがあれば、すぐに見直しすることができます。 - 選べる種類が豊富にある
現在販売されている医療保険のほとんどが掛け捨て型です。
消費者としては、選べる種類が豊富なので、保障内容や保険料を比較して、あなたにぴったり合う医療保険を選ぶことができます。
また、種類が豊富なので、見直しをすることも頻繁にできますので、常に最新の医療保険を選ぶことができます。
掛け捨て型の2つのデメリット
- 使わなかったら保険料がムダになる
掛け捨て型の医療保険は、入院や手術をして給付金を受け取らなければ、掛けていた保険料がムダになってしまいます。
損得を考えたとき、一生のうちに入院する確率や手術をする確率を考えたとき、医療保険に加入するよりも貯金をしたほうが効率的と考える人もいます。 - 解約しても解約返戻金がない
掛け捨て型ですので、解約をしても解約返戻金が戻ってきません。
これは、わかっていても解約をしたときに「もったいなかったかも」と感じる人も少なくありません。
貯蓄型のメリット・デメリット
貯蓄型の3つのメリット
- 保険を使わなくても保険料がムダになりにくい
もし一度も保険を請求しなかったとしても、満期金が受け取れたり、途中で解約しても解約返戻金が受け取れるので、それまでの保険料がすべてムダになることはありません。 - 満期時や5年10年ごとに祝い金や満期金が出る
満期まで続ければ満期金が受け取れたり、5年や10年ごとに祝い金が受け取れることで、ボーナス的な感じでお得な感じがします。
実際、祝い金を5万円もらえただけでも臨時収入のような感じがするのではないでしょうか。 - たくさん利用すると得をする場合もある
入院や手術を複数回経験して、給付金をたくさん受け取った後に解約や満期を迎えた場合、受け取った給付金と解約返戻金の合計が支払った保険料合計を上回ることもあります。
貯蓄型の4つのデメリット
- 毎月の保険料が高くなる
貯蓄型の医療保険は、掛け捨て型の医療保険と比べると約2倍前後、保険料が高くなります。
貯蓄型の医療保険の保険料は、満期金や解約返戻金などの積み立て分を保険料に上乗せしていることがその理由です。 - 祝い金や満期金はボーナスというわけではない
祝い金や満期金が設定されている場合、上でも解説していますが、その原資となる積み立て分は上乗せされた保険料です。
保険会社がボーナス的なものを提供しているわけではなく、自ら支払っている保険料であることを覚えておきましょう。 - 商品数が掛け捨て型と比べると圧倒的に少ない
全保険会社の医療保険の中で、例えば掛け捨て型の医療保険が100あるとすると、貯蓄型の医療保険は10あるかないかです。
商品数が少ないということは、保険会社もあまり力を入れていないということでもありますので、保障内容が最新のものかを必ず確認しましょう。 - 保険の見直しがしにくい
貯蓄型の医療保険は途中解約をすると解約返戻金が戻ってきますが、早期の解約であればあるほどその金額は少なくなります。
「あと〇年続ければ損は今よりも少なくなる」と考えることが多くなりがちですので、保険の見直しをするタイミングを逃す人が少なくありません。
このことから、貯蓄型の医療保険は保険の見直しがしにくいといわれています。
まとめ
医療保険は掛け捨て型と貯蓄型のどちらがおすすめなのかを、それぞれのメリット・デメリットを見ながら解説してきました。
結論からいえば、選択する人の気持ちひとつなのですが、FP(ファイナンシャルプランナー)として総合的に判断した場合、医療保険は常に最新の保障内容を確保しておきたいという考えがありますので、掛け捨て型のほうがおすすめです。
もし自分で判断するのに自信がないという人は、保険相談などを利用して、自分に合うプランを探しましょう。