地震には本震と余震がありますが、余震は地震保険の対象となるのでしょうか?
実は余震でも地震保険の補償対象となります。
ただし、補償対象となるためには「ある条件」がありますので、そのあたりを解説していきたいと思います。
余震が地震保険の補償条件
余震は本震が発生した翌日から起算して10日までが補償対象
大きな地震が発生した後には、数多くの余震が発生します。
本震ではなく、余震で建物が損害を受けたとき、また家財が損害を受けたときの地震保険の補償条件で大切なポイントは「地震の翌日から10日まで」です。
実際に、東日本大震災が発生した際にも数多くの余震が発生しました。
小さな地震から本震なみの地震まで、数十回数百回の余震が発生しましたが、その際に保険会社で共有した情報の中で、余震についての取り扱いも挙げられていました。
以下がその内容です。
Q. 余震が発生した場合、地震保険の取り扱いはどうなるのか?
72時間以内に生じた2つ以上の地震は、1回の地震とみなすことになっています(ただし、被災地域が全く重複していない場合は除く)。
また地震が発生した日の翌日から起算して10日経過した後に生じた損害については保険金の支払いはできません。
このことから、本震であろうが余震であろうが、その地震が起きてから10日以内の損害であれば補償対象であるということがわかります。
ただし周辺地域で損害が確認できない場合は保険金の支払いを渋るケースも
これは実際にあったケースです。
東日本大震災が発生した後に起こった余震で、マンションの1階部分が地盤沈下によって傾いてしまいました。
私は契約者の情報をもとに、地震が発生したと思われる日時と被害状況を保険会社に連絡しました。
すると後日、保険会社から「その地域でその日の地震で損害にあった報告を受けていないので支払いは難しい」と連絡があったんです。
度重なる交渉の結果、保険会社は地震保険の保険金の支払いに応じてくれましたが、交渉能力のない営業マンや契約者だけで保険会社とやり取りをしていた場合には、もしかしたら保険金を受け取ることができなかったかもしれません。
損害保険を契約する場合には、事故対応の経験が豊富な担当を選べるかどうかで、万が一のときに数十万、数百万円の差が出ることもあることを覚えておきましょう。
損害認定はどのように行われるのか
地震保険の損害認定には、契約者に大きく金銭的な影響が出ることから、迅速・的確に行われる必要があります。
そのため、保険会社の社員や委託を受けた専門家(損害保険登録鑑定人、建築士など)が損害認定を行います。
また、被保険者(補償を受ける人)どうしの損害認定結果に公平性を期すために、各損害調査員・各損害保険会社間で、一定の損害認定結果を確保できるように「地震保険損害認定基準」に基づいて損害認定を行います。
その結果、調査にかかる時間は1軒あたり数時間と短くなり、実際に東日本大震災を経験した私のお客様たちは、その調査の迅速さ的確さに驚いていました。
そしてどのお客様も、被保険者(被災者)に寄り添った損害認定をしてもらったと満足していました。
営業マンが知らない地震保険の請求方法
地震には本震と余震とがありますが、どの地震の場合でもその申請方法に違いはありません。
具体的な申請の仕方についてはこちらにまとめていますので参考にしてみてください。
ただし、その支払い条件のひとつとして「地震が発生した次の日から起算して10日以内」に発生した損害であることが求められます。
地震保険の請求にはときとして営業マンでも知らない情報を知っていることが重要
・その地震で保険金請求はできるか
・保険会社と交渉できるか
これらのポイントをおさえているかどうかで、あなたが地震保険の保険金を遅滞なく受け取れるかどうかが決まってきます。
この記事で解説したものは、いずれも一般の営業マンでは知り得ないことです。
これらの情報を知っているかどうか、知らなくても知識のある営業マンが担当であるかどうか、これが重要なポイントとなります。
まとめ
建物が、余震によって損害を受けたとき、それは本震・余震に関わらず、地震の翌日から10日以内であれば補償対象となりえます。
そして、何より大切なことは、地震保険の申請方法を知っておくことです。
どのように申請し、どんな情報を前もって知っておくか、そして保険会社と交渉できるくらいの知識を持つこと、もしくは交渉できる担当(営業マン)を得ることができるかがキーポイントになります。
東日本大震災や北海道胆振東部地震のような大きな被害をもたらす震災はいつ来るかわかりません。
南海トラフ地震の確率も高くなってきています。
地震保険にまだ加入していない人、加入している火災保険のプランに不安がある人は、今のうちに補償内容を確認しておきましょう。
そして、営業担当に不安のある人は、今のうちに本当に信頼できる担当を探しておきましょう。
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