台風シーズンになり、雨漏りの被害も多く寄せられています。
そこでひとつの疑問が出てきます。
台風の雨漏りは火災保険の対象なのでしょうか?
補償される場合とされない場合、保険金の請求時の注意点について解説しますので、もしものときの参考にしてください。
台風の雨漏りは火災保険の対象?
基本的には雨漏りで保険金は出ない
損害保険では、「雨漏り」という言葉が意味するものは老朽化によって生じるものです。
基本的に、損害保険の保険金が出るには「偶然かつ突発的な事故」によるものですので、老朽化が原因の事故は免責(補償対象外)となります。
損保ジャパン日本興亜のホームページにも、雨漏りについてこう説明がされています(この点においては各社共通の認識です)。
台風により屋根が飛んだり窓が割れたりした訳ではないが、老朽化やもともとあった隙間などから、自然と大雨がしみ込んできた場合などは補償されません。
台風による「風災」であれば対象になる
ただし、この説明にはこうも書かれています。
台風などにより屋根の一部が壊れ、そこから雨が吹き込み、保険の対象が損害を受けた場合は補償されます。
ただし、台風により屋根が飛んだり窓が割れたりした訳ではないが、老朽化やもともとあった隙間などから、自然と大雨がしみ込んできた場合などは補償されません。
このように、事故の原因が「台風などによる損害(風災)」であれば補償対象となり、この認識も各社共通です。
台風の雨漏りで請求するときの注意点
請求手続きで注意すること
保険金の請求は保険会社の事故受付センターや加入した代理店に電話をすることが一般的です。
その際に最も大切なことがあります。
台風が原因であることを伝えずに、単に「雨漏りがした」と伝えただけでは、保険会社は老朽化が原因と判断し、その場で保険金の支払いはできないと伝えられて終了してしまいます。
保険会社は一度下した決定を覆すことはしませんし、後から台風が原因といったところで、信じてもらえるわけがありません。
必ず一番最初に「台風が原因であること」を保険会社や代理店に伝えましょう。
「屋根修理0円」「無料で直せる」という広告を信じるのは危険
火災保険で屋根などの雨漏りに対応するかどうかをネットで検索すると、このような広告を出しているホームページがたくさん出てきます。
「その雨漏り、無料で直せます!」
どのホームページも、火災保険の「風災」を使って無料で直すことをアピールしています。
このように無料で直せると聞くとお得な感じがしますが、このような言葉に安易に飛びつくのは大変危険です。
通常、火災保険の請求には風災かどうかは関係なく、修理の見積書が必要になります。
修理の見積もりは修理業者が作成し、そして同時に事故原因も保険会社に伝えられます。
そして、保険会社との保険金請求から受け取りまでのやりとりは、保険契約者だけでなく修理業者や管理会社でも問題ありません。
危険な業者はここに目をつけました。
・火災保険で(老朽化でも)台風が原因なら無料で直せるとターゲットに伝える
・修理箇所の見積もり、保険金請求の一連の手続きをすべて無料で行うとターゲットに伝える
・老朽化が原因でも保険会社には「台風が原因」と伝え、風災適用を訴える
・修理に必要な保険金は修理業者が受取人になることを保険会社に伝える
・ターゲットには無料で修理が完了したと伝える
・修理業者は保険会社から修理代金として保険金を受け取る
一見、これはターゲットも業者もどちらも嬉しい「Win-Win」の関係のようにも見えます。
しかし、実際には修理の原因が本当であれば老朽化のところを、台風が原因と嘘をついて保険金を受け取る詐欺行為で犯罪です。
さらに悪徳な業者は、修理費用を必要以上に見積もり、法外な保険金を保険会社から搾取したり、それだけでは足りずに、ターゲットから追加工事の費用を請求したりするケースも見られます。
このようなケースの場合、次のような可能性も否定できません。
まとめ
台風による風災の被害であれば、火災保険は雨漏りでも補償の対象となります。
しかし、老朽化が原因であれば対象外となります。
もし、その雨漏りの原因が台風などによる被害であるなら、必ず最初の事故報告の際に、保険会社や代理店に「原因が台風であること」を伝えましょう。
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