マンション投資に必要な火災保険を掛ける際に、保険期間を何年にするか決める必要があります。
雄姿を受ける銀行によっては、融資期間と同じ期間だけ保険を掛ける必要がある場合もありますが(質権設定をされているため)、それはレアなケースで、一般的には融資期間に関係なく保険期間を選ぶことができます。
そこで、マンション投資で掛ける火災保険は最長の10年が良いのか、それとも1年更新が良いのかを、業界歴22年のFPである私が解説したいと思います。
10年を選ぶ理由
ここでは、契約できる最長期間である10年を選ぶことで得られるメリットと、しっかりと確認しておかなければいけないデメリットについて紹介します。
10年のメリット
保険料が安い
まず、火災保険は契約期間が長いほど割引率が高くなるという特徴があります。
保険期間5年:長期係数4.3
保険期間10年:長期係数8.2
3年契約の長期係数が「2.7」ということは、3年分の保険料が1年分の保険料の3倍というわけではなく、1年分の2.7倍という意味です。
例えば1年間の保険料が3万円の場合、1年更新だと9万円(3万円×3年)ですが、3年契約の場合8.1万円(3万円×2.7)となるわけです。
同じように10年契約だと、1年契約だと合計が30万円とのころ、24.6万円(3万円×8.2)と5.4万円も安くなることがわかります。
更新の手間がない
更新手続きには、
・保険料の再試算
・更新手続き
・保険料の支払い
などをしなければなりません。
また、保険の対象の再評価・保険料の再試算をすることで、保険料が上がる可能性も否定できません。
更新手続きの手間や保険料アップの可能性を考えると、一番効率的なのは10年契約ということがわかります。
10年のデメリット
初期費用が高くなる
10年契約の場合、割引率も一番高いため、合計保険料は安くなりますが、やはり10年分をまとめて支払うことになりますので、多額の資金が必要になります。
そのため、物件購入費用と合わせても高額な資金がはじめに必要になります。
ただし解約をした場合には残期間の解約返戻金がある
マンション投資は、必ず収益が上がるとは限りません。
予想していたよりも入居率が悪かったり、事故が多く手間がかかったりすると、短期間で物件を手放すことも少なくありません。
仮に火災保険を10年契約で加入したとしても、2~3年で物件を手放した場合には、物件の売却と同時に火災保険の解約も行う必要があります。
その際には、火災保険の契約期間の残期間分に当たる保険料が戻ってきます。
ただし、保険会社によっては多少の手数料が差し引かれて解約返戻金が戻ってくることもありますので注意が必要です。
1年を選ぶ理由
初期費用を抑えるなら最初は1年更新
物件購入には多額の費用がかかり、火災保険もそのうちのひとつです。
一番お得に火災保険に加入する方法は、10年一括の契約にすることですが、それでも10年分の保険料の支払いが必要ですので、資金に余裕のない購入者にはおすすめできません。
最小限に初期費用を抑えたいのであれば、割引がなくても1年分の保険料のみで契約できる「1年更新」の火災保険がおすすめです。
落ち着いたら3年か5年に見直す
物件購入でかかった費用を回収する目途が立って、資金的にも落ち着いて来たら、火災保険の更新時期に合わせて見直しをしましょう。
そのときの資金状況にもよりますが、余裕が出てきたら割引のある3年契約か5年契約なの火災保険に見直すことをおすすめします。
まとめ
マンション投資で必要になる火災保険の契約期間は、そのときの余裕資金の多さで決めるのが一番でしょう。
初期投資を抑えたいのであれば、最初に1年契約、そして余裕が出てきたら3年契約や5年契約に見直し。
初期投資に余裕があるのであれば、割引率の一番高い10年一括契約がおすすめです。
途中で物件を売却して火災保険も解約するときでも、契約期間の残期間分の保険料は戻ってきますので(一定の手数料は差し引かれる)特に問題ありません。
あなたのお財布事情によって、火災保険の契約期間を決めると良いでしょう。
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