保険営業をするにあたり、紹介営業と飛び込み営業どちらを選ぶかなど、会社や上司から聞かれることがあります。
そんなとき、あなたならどちらを選びますか?
保険業界歴22年の現役FPの私がおすすめの方法と、そのメリット・デメリットをまとめましたので、あなたの営業の参考にしてください。
おすすめなのは絶対に紹介営業
保険の営業をするなら、断然、飛び込み営業よりも紹介営業がおすすめです。
もちろん人それぞれ得手不得手はありますが、長く保険の営業を続けるのであれば紹介営業を選びましょう。
紹介営業の3つのメリット
紹介営業の3つのメリットは次の3つです。
・精神的にストレスがない
・契約の継続率が良い
成約率が高い
保険の営業には大きく「初訪」「提案」「クロージング」「契約」の4つのステップがあります。
中でも最初の初訪が一番ハードルが高く、逆にいえばここさえ突破してしまえばステップが進むにつれて成約率が高くなります。
紹介での案件は、この初訪での相手の警戒感が紹介元からの一言によって薄れていますので、成約率はグンと高くなります。
精神的にストレスがない
相手の警戒感が薄いので、スムーズに話に入ることができて、提案やクロージングもとんとん拍子で進みます。
質問などがあっても反論は少なく、とんでもないことさえしなければ、ほぼ100%成約に結びつきます(紹介が出る可能性も高い)。
契約の継続率が良い
顔の見えない相手(ネット保険)や無理やり契約させられた保険は、何かあればすぐにクレームが入ったり解約に結びつきやすいものです。
しかし紹介であれば、紹介元との関係性もあることから、無下にされることも少なく、解約もされづらい傾向にあります。
また、さらなる紹介も出やすいので「紹介の連鎖」が生まれやすい。
紹介営業の3つのデメリット
紹介営業のデメリットは次の3つです。
・足元を見られやすい
・紹介に頼りすぎると失敗する
どんな相手でも紹介されたら訪問しなければいけない
紹介をする行為は、こちらが思っている以上に顧客にストレスを与えます。
「頑張って出してくれた紹介」もありますので、どんな紹介であっても必ず訪問しなければいけません。
例えば、交通費が報酬を上回るくらいの遠い地方の方の紹介、単価の低い案件の紹介など、どのような案件にも笑顔で対応することで、さらなる紹介をいただけるようになります。
足元を見られやすい
紹介を出してもらおうと「お願い」をしすぎると、相手に足元を見られてしまいます。
足元を見られると、「紹介したんだから〇〇してよ」と無理なお願いを逆にされることもあります。
すると、相手の要求に応えることがメインになってしまい、本業ができないほど疲弊してしまうことにもなりかねません。
実際にそうなった同僚を何人も見てきていますので、これは要注意です。
紹介に頼りすぎると失敗する
紹介営業は、飛び込みやテレアポと比べると「楽」に見えます。
実際、断られる言葉も飛び込みやテレアポのほうがキツく感じますのでそうかもしれません。
ただ、だからといって紹介に頼り過ぎてお願いばかりになってしまうと、相手も嫌になり、紹介は全くでなくなります。
ですから、契約のタイミングがないのに「紹介だけをもらいに訪問する」ようになってしまったら危ない兆候です。
こうなると相手もあなたの訪問が面倒になり、どんどん行先がなくなって失敗します。
どのような紹介が欲しいのかを明確に相手に伝えることによって、遠隔地や単価の低い紹介を除いてもらいましょう。
トップ営業マンが伝授する簡単に紹介をもらうコツ・極意【成功例】
私も一時期、数年間にわたり「トップセールスマン」と呼ばれてきました。
そのときに、簡単に紹介をもらえていたコツや極意をお伝えします。
・話をするよりも聞くことに徹すること
・申込書にサインをいただいたらすぐに、「紹介シート」を手渡す
・実際に紹介してほしい人の特徴を伝えて想像させる
・顧客が口を開くまで黙って待つ
これがポイントです。
また、1ヶ月に28件の紹介をもらったときに徹底していた5つのポイントもありますので、知りたい方はこちらの関連記事をご覧ください。
飛び込み営業は見込み客がない人におすすめ
飛び込み営業が悪いといっているわけではありません。
実際、紹介営業よりも飛び込み営業のほうが向いているという営業マンもいます。
飛び込み営業の3つのメリット
飛び込み営業のメリットは以下の3つです。
・メンタルが鍛えられる
・大きな案件が見つかるチャンスがある
人に会うこと自体はできる
保険営業の難しいところは、会える人を見つけることです。
見込み客がいなければ提案もできませんので、契約を取ることもできません。
その点、飛び込み営業であれば、会社の受付でアポが取れたり、運が良ければ経営者にすぐに繋がることもあります。
断られることのほうが多いことは事実ですが、誰かに会うことはできるというのは大きなことです。
メンタルが鍛えられる
100件飛び込みをしたら5件アポが取れれば大成功です。
95件で断られても先へ進むわけですから、いやでもメンタルは鍛えられます。
断られても卑屈にならず、もう一度、二度三度、笑顔で訪問するくらいのメンタルを持てるようになったら、それだけでもすごいことです。
私にはできませんでしたが・・・
大きな案件が見つかるチャンスがある
飛び込み営業は誰でも嫌なものです。
嫌なものですから、そこに大きなビジネスチャンスは眠っている可能性があります。
そのチャンスを見つけ出すには1件1件しらみつぶしに訪問していくことが必要になりますが、そんな大変なことはやりたがる人もいません。
だからこそ、大きなチャンスをつかむ可能性があります。
ただ、通常のえいぎょの空いている時間に行うなどをすれば、時間も効果的に使うことができます。
飛び込み営業の3つのデメリット
飛び込み営業のデメリットは以下の3つです。
・精神的にやられてしまう
・訪問件数に満足しがちになる
効率が悪い
飛び込み営業は時間がかかります。
経験するとわかると思いますが、どんなに行先が近くに密集してても、信号待ちや移動などで時間をロスして、1日で30件~50件が限度ではないでしょうか。
100件まわって3~5件のアポが取れれば大成功ですから、1日走り回っても1件も成果が出ないことも少なくありません。
効率でいえば、テレアポのほうがまだ良いほうです。
移動する時間も必要ありませんから、1日で数百件も電話をかける強者もいるくらいです。
精神的にやられてしまう
普通のメンタルなら、飛び込みをやって1日で「もう嫌だ・・・」と投げ出したくなることでしょう。
それを我慢して続けるわけですから精神的にタフになるのもうなずけます。
飛び込み営業を続ける精神を保つための一番の薬は成功体験です。
1件の成功体験があれば、次の訪問先へも足が向かいますが、その成功体験を経験する前に精神的にやられてしまう人も少なくありません。
訪問件数に満足しがちになる
頑張って足を動かし続けて、断られても次へ次へと行っていると、だんだんと精神がマヒしてくるような感覚に襲われます。
断られる嫌な感覚を忘れたいがために、脳が勝手に解釈を変え始めます。
本来であれば、アポイントを取ることが目的なところ、知らず知らずのうちに「1日の訪問件数」がゴールになってしまうことはよくあります。
「今日は1日で200件まわった!」と満足しては飛び込み営業は成功しません。
本当に飛び込み営業で成功する人は、5件まわって1件のアポイントを取ってきますから。
自分をだましながら訪問件数だけを増やしていくなら、自分に合った営業方法を本気で探すほうが数倍有意義です。