がん保険の特徴と選び方を最近の動向から現役FPが読み解きます

がん保険の選び方 生命保険の選び方

日本人の「2人に1人ががんになる」といわれています。

がんは医療費以外にもさまざまなお金がかかり、再発・転移のリスクや入退院を繰り返しがちな病気です。

治療が高額化・長期化しやすいがんに対して備えたいがん保険の特徴や選び方を、最近の動向から現役FPが読み解きたいと思います。

がん保険のおもな特徴

がん保険は、保障対象をがんに限定した医療保険の一種です。

対象をがんに限定することで、割安な保険料でがんに対する手厚い保障を受けることができます。

がん保険のおもな保障内容

がん保険のおもな保障内容は、

  • がん診断給付金
  • がん入院給付金
  • がん手術給付金
  • がん通院給付金

などです。

このうち、がん入院給付金やがん手術給付金は、医療保険と同じように基本保障(主契約)となっていることが多く、がん保険の場合には医療保険と違って入院給付金の支払日数は無制限となっています。

90日間の免責期間は保障されない

がん保険は、契約してすぐにがんに対する保障が開始されるあけではありません。

がん保険には90日間の免責期間(待期期間)が設けられており、この免責期間中にがんと診断された場合には契約が無効となり保障はされません。

もしがん保険の見直しをする場合には、新しく契約するがん保険の90日間の免責期間が終了してから、古い契約を解約するようにしましょう。

がん保険は3つのタイプに分かれる

最近のがん保険は、医療保険と比べても商品性が異なるものが多くなっている傾向にあります。

そこで、がん保険を選ぶにはまずどのタイプのがん保険を選ぶかを検討する必要がありますので、おもな3つタイプについて解説します。

一時金給付タイプ

がんと診断されたときの「がん診断給付金」をメインとしたタイプです。

基本保障ががん診断給付金などの一時金給付で、がん入院やがん手術、がん先進医療などの保障は特約として付加することができます。

がんは、部位や進行度合いに応じて治療費が大きく変わりますので、最初に一度にまとまったお金を受け取れるこのタイプは、がん患者やその家族の経済的な不安を取り除き、収入が現症しても治療に専念して生活できるようになる重要なポイントになります。

なお、保険会社によってがん診断給付金が1回のみの会社と何回でも再発・転移に対応できる会社があり、上皮内新生物でも支払可能な会社などもありますので、自分がどのような保障を希望するかは必ず確認しておきましょう。

都度給付タイプ

がん入院やがん手術の保障をメインに、がん診断給付金や薬物療法、放射線治療などの保障を特約で付加することができます。

抗がん剤治療が長引いた場合や、長期にわたるホルモン治療を行った場合など、その人の治療に応じた給付を受けることができます。

最近では、入院治療とともに通院でのがん治療も増えてきていることから、通院保障を手厚くしている商品も出てきています。

その他のタイプ

がん保険には前の2つのタイプとは異なり、かかった治療費をカバーできる「実損てん補タイプ」もあります。

がんの治療は健康保険の適用外の治療法や薬もありますので、自由診療などで自己負担額が高額になることも少なくありません。

そんなときでも実損てん補タイプであれば、このような高額な治療費をカバーすることができるので、納得のいく治療を選択することができるようになります。

この他には、がんと診断されたときに収入保障年金を受け取れる商品や、抗がん剤などの治療に特化して給付金が受け取れる商品など、がん治療と仕事や家庭を両立させることをコンセプトにしたがん保険もあります。

がん保険を選ぶ際には、がん医療に対応しているか度かも含め、最近のがん保険の動向を把握しておくことをおすすめします。

まとめ

日本人の2人に1人ががんになるといわれている現在、いかにがんの治療を継続しながら仕事や家庭を両立させるかが大切なポイントとなってきているのは事実です。

このページで紹介した3つのタイプの中で、自分はどのタイプのがん保険を希望するかまずは検討し、そのうえで各保険会社のがん保険を比較して検討してみるのが一番です。

その際には必ず複数の保険会社の商品を比較検討してから加入するようにしましょう。