もしあなたが誰かをケガさせてしまったり、ものを壊してしまったりしたとき、トラブルにつながるような対応をしてしまうと、示談交渉が長引いてしまったり、余計なお金や時間がかかってしまうことがあります。
そこで、トラブルになりやすいケースと対策について解説します。
賠償責任保険の請求で一番多いトラブルの原因
初動で誠実さを欠いているケース
事故を起こしてしまったとき、被害者に対して初動で誠実さを欠いてしまうと、後々トラブルに発展してしまうケースが増えてしまいます。
・救急車や警察を呼ぶ
・病院までの付き添い、見舞い
これらの初動を忘れてしまうことで、被害者が過剰に反応し、敵対心まで生んでしまいます。
まずは誠心誠意謝罪し、必要であれば病院まで付き添うこと、絶対に相手の被害を軽く見ないようにしましょう。
「保険があるので大丈夫」と伝えてしまうケース
もし、事故を起こしてしまったあなたが賠償責任保険に加入していたら、発生した賠償請求にも対応できるでしょう。
個人賠償責任保険は、以下のようなケースでも補償の対象となりますので大変便利な保険です。
しかし、賠償責任保険に加入しているからといって、被害者に「保険に入っているから大丈夫」「保険に加入していて良かった」などという言葉は絶対にかけてはいけません。
被害者からしてみれば、「あなたが悪いのだから保険に頼らずにあなたが支払ってください」「何でも保険会社に頼まずにあなたが誠意を見せろ」という気持ちになりやすいのです。
加害者の中には、事故後すぐに保険会社に連絡をして、その後は一切の連絡を被害者に取らないという人もまれにいます。
もちろん示談交渉サービスがついているのであれば、被害者との交渉も保険会社に任せることができますが、被害者からすれば、事故を起こした本人がまったく謝罪に来ない、加害者なのに誠意が足りないと思わせても仕方がありません。
こうなると、保険会社との示談交渉にも応じてもらえず、賠償責任保険の補償自体も請求できなくなってしまう自体にも発展してしまいます。
トラブルを回避するために必要なこと
被害者に寄り添って対応する真摯な姿勢を示すこと
賠償事故を起こしてしまったとき、余計なトラブルを回避するためには、真摯な姿勢を示すことが一番重要です。
人として、恥ずかしくない行動をし、自分に非があるあるのであれば誠心誠意謝罪をし、その後のフォローも継続することで、余計なトラブルを引き起こすこともなく、示談交渉もスムーズに進めることができます。
「保険で対応するので大丈夫」と絶対に伝えないこと
上でも伝えたように、「保険があるから大丈夫」ということを被害者に伝えることで、新たなトラブルを生んでしまうケースが多発しています。
もちろん、最終的には賠償責任保険を請求することになるのですが、そのためには正しい請求方法を覚えておく必要があります。
以下が、余計なトラブルを招かない正しい請求方法のひとつです。
- 誠心誠意の謝罪
- 必要なら救急車を呼び、警察も呼ぶ
- 病院への搬送が必要なら必ず付きそう
- 相手に自分の名前や連絡先を伝える
- 相手の了承を得て、相手方の名前や連絡先を教えてもらう
- 通院や入院をする医療機関の連絡先を教えてもらう
- 治療にかかった費用を教えてもらい、その際の領収書(コピーも可)を受け取る
- 領収書に記載されている治療費を被害者に支払う
- 領収書などがそろったら保険会社に連絡をし、保険金請求を行う
- 保険会社から自分の口座に治療費などと同額の保険金が支払われる
賠償責任保険は、被害者の口座に直接保険会社から保険金を支払うことも可能ですが、これをしてしまうと、「加害者がなぜ支払わないのか?」と被害者意識を逆なでしてしまうことにつながります。
ですから、保険金は必ず被害者に治療費などを支払ってから、自分の口座に振り込んでもらうようにしましょう。
まとめ
賠償責任保険は、第三者にケガをさせてしまったり、ものを壊してしまったりして賠償責任が発生したときに大変有効な手段のひとつです。
しかし、利用する側がその使い方を誤ってしまうと、被害者の怒りを買い、保険を使うことができなくなって自腹を切ることになる可能性もあります。
そうならないためにも、被害者には誠心誠意対応することを忘れてはいけません。