がん治療をしたらがん保険でしか保障されないの？医療保険だけではダメなの？

保険相談をしていると、よくこのような話をされる人がいます。

「がんはがん保険じゃないとダメなんですよね？」

実はこう聞かれる人は少なくありません。

多くの人が、がん治療はがん保険でないと保障をされないと思っています。

そこで、がん保険と医療保険の保障範囲を見ながら、このあたりを解説したいと思います。

医療保険だけでも「がん治療」は保障される

がん治療は医療保険だけでも保障されますので、「がん保険じゃなければダメ」ということはありません。

医療保険の保障範囲

医療保険の保障範囲は保険会社ごとに細かい差はありますが、大まかな保障は以下のようなイメージです。

では、この保障の中に「がん治療」は含まれるかどうかについてですが、結論からいえば、がん治療は保障に含まれます。

こちらの保険会社の医療保険の約款を参考に考えてみましょう。

入院給付金の支払いの対象となるのは、「病気や不慮の事故（ケガ）によるもの」とあります。

また手術給付金の支払いの対象となるのは、「約款所定の手術」が条件となっています。

がん治療は、このどちらの条件にも当てはまりますので、医療保険の入院給付金も手術給付金も保障の対象となることがわかります。

がん保険の保障範囲

医療保険と比べて、がん保険の保障の範囲は限定的で、がんのみが保障対象となっています。

一般的な保障内容は以下の通りです。

どの保障にも頭に「がん」とありますので、保障はがん治療のみに限定されます。

ですから、ケガはもちろん保障の対象外ですし、盲腸や帝王切開、心疾患や脳疾患なども保障対象外です。

詳しくは、こちらの保険会社のがん保険の約款を参考にご覧ください。

がん保険の役割は高額な治療費や生活費の補てん

がん保険の役割は何も治療費のカバーだけではありません。

治療に専念するために仕事が減り、その影響で収入が減ったとしても生活が成り立つだけの生活費の補てんという役割もあります。

がん治療には時間とお金がかかる

がんの治療には時間とお金がかかります。

もちろん健康保険の適用の治療であれば、高額療養費制度や確定申告での医療費控除、傷病手当金も利用できますので、自己負担はかなり抑えられます。

しかし、これらの制度を活用しても、それでも治療にかかる時間や仕事量の減少などの影響で、預貯金がどんどん減っていく現実も見なければいけません。

平成23年の厚生労働省による患者調査によると、がん患者の平均入院日数は以下の通りです。

入院後も、通院治療や自宅療養に約6ヶ月、経過観察や通院で5年ほど要しますので、その間の治療費負担や収入減少が家計を圧迫していきます。

がん保険のメリットは高額な給付金を受け取れること

がん治療は医療保険でも保障の対象となっています。

では、なぜがん保険というものがあるのかというと、高額な給付金が受け取れるというメリットがあるからです。

がん保険は、このがん診断給付金と入院給付金、手術給付金を合わせると、一度にまとまった金額を受け取ることができます。

このまとまったお金は、治療費というよりも治療期間中の生活費の補てんというイメージで使うことが多いようです。

一番にがん保険、次に医療保険という考え方

あなたにがん保険は必要？不要？1週間に5人の保険金手続きを行った経験からいえることでもお伝えしていますが、がん治療には時間とお金がかかります。

そして、治療費や生活費に必要な費用と毎月の保険料負担を考えたとき、よりリスクの大きいがん治療に重きを置いたほうが効果的です。

ですから、病気やケガのリスクを考えるのであれば、まずは経済的リスクの高いがん保険を考え、余裕があるようなら医療保険を検討するという考えが理想的です。

もし預貯金にある程度の余裕があるのであれば、医療保険は加入しなくても問題はありません。

このあたりは個々の経済状況を確認して決定する必要があります。

まとめ

がん治療は、がん保険でしか保障できないのではなく、医療保険でも保障されます。

しかし、治療にかかる時間や枯渇していく生活費などを考えたとき、がん保険のほうがより効果的に使うことができると考えます。

このあたりを必ず確認して、あなたに度の保険が必要かを考えて加入の検討をするようにしましょう。