激しい気候変動の影響で、近年大雪の被害が増えてきています。
内閣府の発表では、平成30年1月からの大雪だけでも甚大な被害が出ている地域が数多くあります。
そして、このデータの中では数に含まれていない被害のひとつに、住宅のカーポートの倒壊があります。
では、このカーポートの倒壊は、保険の対象となるのでしょうか?
一緒に見ていきましょう。
大雪でカーポートが倒壊したら火災保険の「雪災」が補償対象
カーポートも「建物」の一部
契約の際に、「物置・車庫等も含む」としている場合、カーポートも建物の一部として補償対象となります。
ただし、この項目を含まない契約としていた場合、カーポートの大雪による倒壊は補償対象外となりますので注意が必要です。
もし補償内容を確認して、「物置・車庫等も含む」にチェックがなかったら、冬が来る前に契約内容変更をしておきましょう。
基本的には修理費用を補償してくれる
保険金を請求した場合、どのようにその金額が決まるかといえば「修理費用」が基になります。
そのためには、修理業者に修理見積もりを取ってもらい、その金額が妥当であれば修理費用にかかる金額が保険金として受け取ることができます。
ただし、必要のない修理や装飾などをした場合、保険会社にその金額分は却下されることもありますので注意が必要です。
カーポートは雪災だけでなく「ひょう災」や「風災」も対象となる可能性がある
カーポートは冬の大雪で倒壊するだけが考えるべきリスクではありません。
夏のゲリラ豪雨や台風による突風による倒壊、急に降り始める大粒のひょうにより屋根に穴が開くなどの被害もリスクのひとつです。
火災保険では、風災補償の中に「雪災」と「ひょう災」もあることから、これらの大雪以外の自然災害にも対応していることがわかります。
詳しくは、東京海上のホームページをご覧ください。
ただし経年劣化などは補償対象外
大雪によりカーポートが倒壊したとき、以下のようなことが判明した際には補償の対象外となることがあります。
・経年劣化で今すぐにも倒壊しそうだった
・すでに壊れている箇所が大雪で壊れた
身の危険を回避するためにも、必ず修理すべき個所は修理して安全を担保しておきましょう。
上手な保険金請求の方法
まずは保険会社や代理店に連絡
まずは損害を知ったらすぐに保険会社や代理店に事故の連絡を入れましょう。
事故発生から3年が経過してしまうと時効となり、保険金の請求ができなくなってしまいますので注意しましょう。
・事故を知った日
・事故の原因
・損害の状況
これらを具体的に、わかる範囲で報告しますが、損害状況がまだ不明な場合でも「これから確認します」と伝えれば問題ありません。
修理業者に見積もりを取る
火災保険金を請求するには、修理業者による修理見積もりが必要となります。
第三者の客観的な見積もりではなく、自分で独自に修理費用を算定しても保険会社では認められませんので、必ず正式な修理業者に見積もり依頼してください。
被害状況の写真を撮っておく
被害状況の写真を撮っておけば、保険金請求の査定がクリアする前に倒壊したカーポートを修理することができます。
通常は修理見積もりを取る業者が写真を撮ってくれますが、念のため自分でも写真を撮っておきましょう。
なお、写真はスマホで撮った画像をプリンターで印刷したものでも構いません。
修理見積もりを保険会社に発送する
修理業者から修理見積もりが出たら、その見積書と一緒に保険金支払いの申請書を保険会社に提出します。
記入漏れや不備があると保険金の支払いに時間がかかってしまいますので、わからないところがあれば必ず営業マンや査定担当に確認しましょう。
通常であれば、保険金の請求をして2週間ほどで受け取ることができますが、見積もりが不正なものだったり、書類に不備があるとそれ以上時間がかかる場合もあります。
保険金支払いの査定を受ける
書類一式が保険会社に到着したら、査定がスタートします。
修理見積もりに問題がなければ査定でNGになることはまずありませんが、もし過剰な修理や装飾が確認できた場合には、その金額を差し引いた金額を提示されますので、保険会社と相談してください。
ただ、明らかに必要ないと思われる修理や工事には保険金の支払いはできませんので、工事を始める前にそのあたりをしっかりと確認しておきましょう。
まとめ
大雪の影響で自宅のカーポートが倒壊してしまったとき、火災保険の「雪災」で補償されます。
しかし、経年劣化などが確認された場合には補償対象外となるケースもあります。
実際に保険金を請求するときは、必ず修理業者に修理見積もりを取り、損害状況を写真に撮っておきましょう。
そして、冬に備えて補償内容を確認して、「物置・車庫等も含む」という項目に該当していない契約であれば、早急に補償の見直しをしておきましょう。
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