マンションやアパートの投資・経営に火災保険は必要なのでしょうか?
必要性と損をしない火災保険の選び方について、保険業界歴22年で不動産投資の担当もしていた私が解説したいと思います。
マンション経営・アパート経営に潜むリスク
事故によるオーナーや大家の金銭的リスク
マンション(アパート)経営で不利所得を得る、そのためにはできるだけコストを削減することも大切なこととなります。
もし軽軽している物件で事故が起こったとき、その事故での損害を修復するための費用は誰が支払うのでしょうか。
入居者の部屋で起きた場合は、入居者が掛けている保険で対応することができますが、エントランスや給排水設備、屋上、階段やエレベーターなどで事故が起こったとき、その費用はオーナーや大家が支払うことになります。
かかる費用は数万円から数百万円、東日本大震災で経験した災害のように被害が大きい場合、数千万円の費用がかかることもあります。
それらの費用をすべて自腹を切ることになれば、家賃収入どころではなく、逆に借金が増えてしまうこともあります。
そうならないためにも、火災・風災・雪災・水災・破損・汚損・地震などトータルでカバーできる火災保険に加入することが大切になります。
事故による賃貸物件としての信用リスク
継続的に家賃収入を得るためには、入居率が高いことが最も必要なことになります。
しかし、もしオーナーや大家が火災保険に加入しておらず、事故で損害を受けた箇所の修復工事が資金不足でなかなか進まないとしたら、入居者は「この物件って危ないのでは?」と不安に思い、次の更新をしないかもしれません。
SNSで誰でも情報を発信できる今、自分の住んでいる物件の不満をSNSに画像や動画付きで拡散する人もたくさんいます。
あなたが所有している物件でそのようなことがあったとしたら、あっという間に物件名や住所が晒され、悪い口コミが氾濫し、入居者が次々といなくなり、新たな入居者もおらず、収益は激減してしまうでしょう。
そうならないためにも、事故が起きたらすぐに修復工事を行い、その費用を火災保険でしっかりと支払うことで、「この物件は事故が起きてもすぐにキレイに直るから安心して住める」と信用度が高まり、長期的に安定した収益に繋がります。
逆にこのあたりのスピード感がないと、あっという間に信用が失われるリスクがあることを理解しておきましょう。
損をしない火災保険の選び方
不動産投資の利益・コスト・事故のリスクを総合的に判断する
マンション(アパート)経営をするなら、利益・コスト・事故のリスクを総合的に判断することが必要になります。
ただし、コストを削減することばかり考えて、万が一の事故のリスクまでおざなりにしてしまうと、上でも説明したように入居者の信用が失われて、長期的に安定した収益を得ることができなくなってしまいます。
そのため、この3つのポイントをバランス良く総合的に考えておく必要があります。
特に火災保険は、銀行や不動産業者の「いいなり」で加入することも多いので、しっかりと補償内容を確認して、不要な補償は削ったりして、低コスト高パフォーマンスの火災保険に加入しましょう。
火災保険は1年から10年で段階的に
火災保険の契約期間は選ぶことができます。
一部の銀行では、融資の期間と同一期間を保険期間にしなければいけないという決まりを作っていますが、これは契約に質権設定をしている関係です。
ただ、質権設定を行っている銀行はほんの一部ですので、通常であれば火災保険の保険期間は選ぶことができます。
火災保険の期間を決めるポイントは3つです。
・2年目以降、落ち着いたら3年~5年の保険期間の火災保険で都度見直し
・資金に余裕がある場合は、初年度から保険期間10年の火災保険がお得
地震保険は1年から5年で
地震保険は火災保険とセットで契約することが必要です。
保険期間は1年契約か最長5年のどちらかを選ぶことができます(火災保険が5年未満の契約の場合は1年から5年で選択可能)。
保険期間が長いほど割引が効くので保険料はお得になります。
5年一括が一番お得ですが、資金の余裕がない場合は1年契約の年払いもおすすめです。
まとめ
マンションやアパート経営をするなら、コストをなるべく抑え、利益を追求することが大切なポイントです。
しかし、自然災害や突発的な事故は意外に多く、1つの物件に対して1年に1~3回の事故は想定sておくことが求められます。
入居者の多い物件ならなおのこと、事故が起きたら早急に修復作業を終えなければクレームなども増え、物件の信用に関わります。
物件の信用が落ちると収益にも直結しますので、必ず火災保険に加入して保険金による修復作業を速やかに行うようにしましょう。
火災保険は損害保険会社によって補償内容や保険料が異なります(地震保険は各社共通)。
検討する際には、必ず複数の保険会社で見積もりを取って比較するようにしましょう。
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