年末が近づくと、顧客や見込み客にカレンダーを配る営業マンが増えます。
「カレンダーを配ることで見込み客に会える!」「喜んでもらえている!」そう思って、毎年コツコツと続けている営業マンも多いと思います。
しかし、本当にそうでしょうか?
もし、その毎年続けているカレンダー配りが、そんなに効果がないものだとしたらどうしますか?
対等な関係はカレンダー配りをしなくても築ける
年末近くになると、顧客の家や職場に訪問してカレンダーを配る光景は保険会社でなくても見ることができます。
これって本当に必要な仕事?
こう疑問を持ってことはありませんか?
カレンダーを仕方なく受け取ってくれている顧客も多い
保険の営業マンが顧客にカレンダーを手渡すことは営業の一環です。
その理由として次のようなことが挙げられます。
・会いに行ければ新しい商品を買ってもらえるかもしれない
・新たな紹介をもらえるかもしれない
ただ、これは営業マンの「都合」です。
言い方を変えれば、営業マンのエゴとみえるかもしれません。
私は保険の営業に22年携わってきましたが、最後の10年くらいはカレンダー配りをしていませんでした(少数の希望者にはプレゼントしていましたが)。
カレンダー配りについて、このように方向転換した理由に、顧客の多くが「カレンダーは必要ない」と本当のことをいってくれたことがありました。
カレンダーを配らなくても年末の挨拶には行ける
年末のカレンダー配りを当たり前に考えている営業マンは、もしかしたら気がついていないのかもしれませんが、カレンダーを配らなくても年末の挨拶にいくことはできます。
顧客に何かを提供することで「会ってもらえる時間」をもらえると思っている営業マンもいるかもしれませんが、顧客の中にはこう思う人たちも一定数いるのです。
自分が知らない間に、顧客にこう思われているとしたら、その時点で顧客との対等な関係は築けていないことになります。
「顧客=生徒、営業マン=先生」と設定して営業しているとしても、顧客に不安や恐怖を与えてしまっているとしたら、その方法は間違っていることになります。
カレンダー配りに対する顧客の反応
私は、年末の営業のひとつとしてのカレンダー配りの効果は、昔と比べて落ちてきているのでがないかと感じていましたので、思い切ってアンケートをとったことがありました。
顧客へのアンケート結果
実施時期)2015年9月~11月
実施人数)約350名をランダムに抜粋
実施方法)電話、訪問時など
質問1:
カレンダーを欲しいですか?質問2:必要ないと答えた理由はなんですか?
質問3:カレンダーがなくても年末の挨拶に伺うことは問題ないですか?
この3つについて、私の顧客の一部(約350名)の方たちにランダムにお答えいただきました。
その結果がこちらです。
答え2:そもそもカレンダーを使わない、他の営業マンにもたくさんもらうから毎年余って処分に困る、趣味が合わない
※特に多かった答えを抜粋
答え3:カレンダーの有無は全く関係ない、何かをあげないと会わないと思われるのは嫌だ
※特に多かった答えを抜粋
カレンダー配りのメリット・デメリットと戦略
では、カレンダーを配るメリットにはどんなものがあるのでしょうか。
カレンダー配りのメリット
・カレンダーを貼ってもらうことで宣伝効果がある
主なメリットはこの2つです。
ただ、先ほどのアンケート結果からもわかるように、顧客のカレンダーに対する評価はあまり高いものともいえませんので、営業マンが「カレンダーの効果は絶対」のような思い込みで活動するようなことはやめたほうがいいかもしれません。
カレンダー配りのデメリット
・カレンダーが余ることもある
・断られることもある
保険の営業マンは、基本的にかかる経費は全額自己負担です。
発注するカレンダーの量が多ければ、それだけ費用もかさみますので悩みどころです。
その割に、あまり喜んでもらえなかったり、カレンダーが余ることもありますので、このあたりが悩みの種になることがあります。
カレンダーを配るときの戦略
カレンダーをせっかく配るのであれば、そのメリットを最大限に生かすことを考えなければいけません。
・営業に繋げるのであれば、しっかりと戦略を立てて訪問すること
・アポや紹介など、必ず成果を持ち帰ること
ただ挨拶をしてカレンダーを配って終わりでは営業になりません。
顧客が求めているカレンダーを配布できているか、アポや紹介に繋げるためのトークや戦略は考えているか、成果を出すためにそれらを完遂しているか、これらをしっかりと営業活動に反映していきましょう。
まとめ
保険の営業にとって、年末のカレンダー配りは恒例行事のひとつですが、絶対的な武器ではありません。
カレンダー配りをしなくても、年末の挨拶には行けますし、アポや紹介に繋げることはできます。
大切なのは、お客が何を望んでいて、それをどう提供できるかです。
カレンダー配りをするのであれば、このあたりをしっかりと徹底して行うようにしましょう。