2018年9月、元アイドルが飲酒のうえひき逃げの疑いで逮捕されるというニュースが連日報道されていました。
誰でもわかることですが、飲酒運転は重大な違法行為です。
しかし、このように飲酒運転による事故は(特に他人を巻き込む)後を絶ちません。
そこで、絶対に飲酒運転をしてはいけない教訓のために、自分が飲酒運転をしてしまったときの自動車保険の補償と、被害者になってしまったときの補償、そして飲酒運転に対する行政処分と罰則について解説します。
自分が飲酒運転をして事故を起こしてしまったとき
相手方への補償はされる
もし自分が飲酒運転をして事故を起こしてしまったとしたら、その相手がケガ(もしくは死亡)をしたり車が故障したときは自動車保険は補償されます。
これは、被害者保護が第一という考えのもとで自動車保険が作られているからであって、飲酒運転であろうと、相手が不利益を被らないようにと考えられています。
相手への補償では、まずはあなたが加入している自賠責保険から支払われて、それでも足りない分が任意保険から支払われますが、もし自賠責保険に加入していなかった場合、自賠責保険で支払われるはずだった金額も任意保険で支払われることになり、その後、保険会社から自賠責保険分の金額(最高で4000万円)の支払いを求められますので、必ず自賠責保険に加入しておきましょう。
自分への補償はされない
ただし、飲酒運転をした本人に対する補償はされません。
人身傷害保険や搭乗者傷害保険など、自分がケガをしたとき(死亡も)の補償がこれに当たります。
これは、保険会社でも同じように定義していて、以下のように注意書きで書かれています。
車両保険も補償されない
飲酒運転をしてしまったとき、自分自身のケガだけでなく、車の補償も制限されてしまいます。
車両保険は、衝突や接触などのによって故障した車の損害を補償するものですが、運転手が飲酒運転をして事故を起こしたときは補償されません。
これは、保険会社でも同じように定義していて、以下のように注意書きで書かれています。
相手が飲酒運転をして自分が事故の被害者になってしまったとき
自分が被害者なら補償される
自分が事故に巻き込まれて、相手が飲酒運転だったとき、「もしかしたら保険で補償してもらえないかも?」と不安になったことはありませんか?
もし相手が飲酒運転で事故を起こしたとしても、被害者であるあなたへの補償はされますので安心してください。
自賠責保険と任意保険が補償
あなたが事故の被害者になってしまったとき、まずは自賠責保険から対人賠償に対して保険金が支払われます(車への補償はありません)。
自賠責保険の支払限度額は以下の通りです。
死亡による損害 | 最高3,000万円 |
---|---|
後遺障害による損害 | 最高4,000万円 |
傷害による損害 | 最高120万円 |
これで足りない部分を任意保険で補うというのが基本です。
飲酒運転に対する行政処分と罰則
「飲酒運転」は重大な違法行為であり、飲酒運転をした本人には以下のような重い行政処分や罰則が規定されています。
また、罰則は飲酒運転をした本人だけでなく、飲酒運転者に車両を提供した人、飲酒運転者にお酒を提供した人や飲酒運転車に同乗した人に対しても適用される場合があります。
飲酒運転に対する行政処分
対象 | 行政処分 | |
---|---|---|
酒酔い運転 | 違反点数35点、免許取り消し、欠格期間3年 | |
酒気帯び運転 | 0.25mg/L以上 | 違反点数25点、免許取り消し、欠格期間2年 |
0.15mg/L以上0.25mg/L未満 | 違反点数13点、免許停止、免許停止期間90日 |
飲酒運転に対する罰則
車両を運転した人 | 酒酔い運転 | 5年以下の懲役または100万円以下の罰金 |
---|---|---|
酒気帯び運転 | 3年以下の懲役または50万円以下の罰金 | |
車両を提供した人 | 酒酔い運転 | 5年以下の懲役または100万円以下の罰金 |
酒気帯び運転 | 3年以下の懲役または50万円以下の罰金 | |
酒類を提供した人 または同乗した人 |
酒酔い運転 | 3年以下の懲役または50万円以下の罰金 |
酒気帯び運転 | 2年以下の懲役または30万円以下の罰金 |
まとめ
飲酒運転は絶対にしてはいけない重大な違反行為です。
もし飲酒運転をして事故を起こしてしまったとき、相手方への補償はされますが自分への補償はもちろんされません。
補償の有無もさることながら、基本的な部分で「飲酒運転はやってはいけないこと」という認識を持たなくてはいけません。
飲酒運転事故によって不幸になる人をこれ以上増やさないためにも、絶対に飲酒運転はやめましょう。